まゆまつり2015シリーズ①織田式多条繰糸機の繰糸釜について

先日、岡谷蚕糸博物館(長野県岡谷市)で、織田式多条繰糸機(実物)を見てきましたので、紹介します
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織田式多条繰糸機(実物)は、「岡谷蚕糸博物館の繰糸機群」のうちの一つとして、
2011年に日本機械学会から機械遺産として認定されています。

今回は、特に予備知識もなく、“博物館に付属している繰糸工場を実際に見たい”と、
岡谷蚕糸博物館へ行ってみたところ織田式多条繰糸機(実物)に出会えて大感激
写真撮影をお願いしたところ、学芸員さんが解説文のコピーをくださいました

「大正10年以降御法川式多条繰糸機の普及に伴い、
国内の生糸消費にも対応するため御法川式多条繰糸機と諏訪式多条繰糸機の機能を折衷して、
開発された多条繰糸機です。
東京都を拠点に事業を展開した中原製作所(昭和2年創業)が製作しました。
昭和の戦前期に普及し、戦後には御法川式、増澤式、郡是式などに次いで普及した多条繰糸機です。
多くの多条繰糸機が沈繰(繭が沈んだ状態の繰糸)、低温、低速での繰糸法を採用していたのに対し、
織田式は半沈繰りで、繰糸湯温度は約80℃の高温とし、枠の回転を高速にしました。
これにより、高品質生糸の生産を意図した多条繰糸機と、
高い生産性を意図した諏訪式繰糸機の両者の長所を生かした繰糸機となりました。」
(岡谷蚕糸博物館解説パネルより)

発見館で展示中の織田式多条繰糸機の釜
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(加茂蚕糸では「繰糸釜」と呼んでいました。
一般に「繰糸鍋」という場合が多いようですが、ここでは、加茂蚕糸で読んだ呼称「繰糸釜」と記しますね。)

発見館にあるのはこの釜と2枚のスライドのみなので、わからないことも多かったのですが、
今回、実物を見ることが出来、「あ~こうなっていたんだ!」と少し理解できたので記しておきます。

織田式多条繰糸機の索緒部
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白いボタン状のものが集緒器です。
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集緒器(発見館で展示中)
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釜の中に湯温が下がらないようにする熱源があります。
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実物を見た後で釜を見ると、熱源を取り付けた溝に気が付きましたし、
写真左の丸くへこんでいる部分が索緒する部分だとよくわかりました。
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加茂蚕糸 織田式多条繰糸機の頃の繰糸工場の写真(昭和29年)
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こちらの写真右側に見える棒状のものは、索緒ぼうきを取り付けた軸の部分です。
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織田式多条繰糸機では、釜の湯温は80℃あったとのことですが、
(上の2枚のスライドでは湯気が出ていますね)
風呂の湯温ほどで、そこまで温度は高くなかったとの話もあり、
こちらに関しては、企画展期間中に加茂蚕糸にお勤めされていた方に聞き取りをしていきたいと思います。

企画展期間中も、新しくわかったことがあれば加茂蚕糸資料コーナーで紹介していきます。
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「織田式十条立繰機械 繰糸技術の手引き」
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コピーですが、お手に取ってご覧いただけます。

展示およびブログでの写真使用を許可してくださった岡谷蚕糸博物館様
本当にありがとうございました

by きょん

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